Googleは、高品質な検索結果をユーザーに提供するために、絶えずアルゴリズムをアップデートしています。
今でに行われてきたアップデートの歴史を知ることで、どういったサイトやページがGoogleに評価されているのかを知る手がかりになるでしょう。
今回は、特に覚えておきたい主要アップデートを13個ピックアップしました。
企業のSEO担当者や個人でサイト運営に携わっている人は、ぜひご覧ください。
SEOアップデート年表
SEOアップデートの早見年表がこちら。
時期 | 名称 |
---|---|
2011年2月 | パンダアップデート |
2011年11月 | フレッシュネスアップデート |
2012年4月 | ペンギンアップデート |
2012年8月 | パイレーツアップデート |
2013年9月 | ハミングバードアップデート |
2014年8月 | HTTPS/SSLアップデート |
2014年12月 | ベニスアップデート |
2015年4月 | モバイルフレンドリーアップデート |
2015年 | ランクブレイン導入 |
2017年2月 | 日本語検索アップデート |
2017年12月 | 健康アップデート |
2018年7月 | スピードアップデート |
2019年3月 | 2019年3月コアアップデート |
2019年6月 | 2019年6月コアアップデート |
2019年9月 | 2019年9月コアアップデート |
2019年12月 | BERTアップデート |
2020年1月 | 2020年1月コアアップデート |
2020年5月 | 2020年5月コアアップデート |
2020年12月 | 2020年12月コアアップデート |
2021年6月 | 2021年6月コアアップデート |
2021年7月 | 2021年7月コアアップデート |
2021年11月 | 2021年11月コアアップデート |
NEW! 2022年5月 | 2022年5月コアアップデート |
一つずつ、解説していきます。
パンダアップデート(2011年2月)
パンダアップデートは、SEOの歴史上において最初に起こった主要なアップデートです。
これにより、低品質コンテンツを含むページのランクが下がり、高品質なコンテンツを含むページが評価されるようになりました。
低品質として認識されたのは、主に下記の2つを含むページです。
- 発リンクの多いアフィリエイトサイト
- 内容の薄いコンテンツが多いサイト
パンダアップデートは、最初のアップデートが行われてからその後も断続的に行われました。
今でもアルゴリズムにおける重要な要因の一つとなっています。
フレッシュネスアップデート(2011年11月)
フレッシュネスアップデートは、情報の鮮度を重要視するアルゴリズムです。
これにより、更新性の高いサイトが評価されるようになりました。
Googleは、情報の鮮度が人々の暮らしに大きく関わるものと考えて実施しています。
最新情報ほど検索結果の上位に表示されやすくなるように変更が加えられたのです。
ペンギンアップデート(2012年)
ペンギンアップデートは、リンクとスパムを取り締まるために行われたアップデートです。
このアップデートが行われる前は、多くの人々がページのランキングを上げるためのショートカットとして、リンクを他者から購入したり、サイトを量産してリンクを当てるなどの手法を行なっていました。
Googleは、こういった自然発生ではないリンクを排除するための試みを行いました。
このペンギンアップデートは、2016年までの間に複数回実施されています。
少ない労力でバックリンクを得るのではなく、価値のある情報として自然なリンクを獲得するためのページ作りが必要となっていきました。
パイレーツアップデート(2012年8月)
パイレーツアップデートは、著作権侵害をしているページを取り締まるために行われたアップデートです。
具体的には、デジタルミレニアム法案(DMCA)を基準とし、著作権侵害の申請が多いサイトを検索結果の上位に表示しないようなアップデートを行いました。
ハミングバードアップデート(2013年9月)
ハミングバードアップデートは、ユーザーの検索意図をより詳細に汲み取り、関連性の高い結果を表示するために行われたアップデートです。
例えば「チョコレートケーキ」と検索するユーザーは、「チョコレートケーキ」の概要を知りたいわけではなく、レシピや販売サイトの情報を求めているケースが多いでしょう。
そのユーザーの背景にある意図を汲み取り、チョコレートケーキのレシピや栄養成分、その他チョコレートケーキの食に関する情報を検索結果に表示するようになりました。
これは、現在の音声検索の精度の向上にも繋がっています。
HTTPS/SSLアップデート(2014年8月)
HTTPS/SSLアップデートは、SSL化しているサイトが優遇されるような変更を行ったアップデートです。
HTTPS / SSL更新とは、安全でない「HTTP」プロトコルから安全な「HTTPS」プロトコルにWebサイトを転送するプロセスのことを指します。
これを行うことで、Web接続のセキュリティを保証し、中間者攻撃などのサードパーティの介入からWeb接続を保護することができるのです。
セキュリティを強化しているサイトが、検索結果のランキングにおいて少し有利に働くようになりました。
ベニスアップデート(2014年12月)
ベニスアップデートは、検索ユーザーにローカルな情報を提供するために行われたアップデートです。
ユーザーは、時に自分の位置情報に近い検索結果を求めている場合があります。レストランの検索などが主な例です。
Googleは、そういったユーザーに対して「位置情報」や「IPアドレス」を元にした検索結果を表示するアップデートを行いました。
モバイルフレンドリーアップデート(2015年4月)
モバイルアップデートは、スマホ対応していないサイトの評価が下がったアップデートです。
2015年までに、Googleの検索は50%以上がスマホより行われるようになりました。
しかし、サイトの多くはデスクトップ向けに作られており、スマホへの対策がなされていませんでした。
読み込み速度が遅い、ボタンが大きすぎる/小さすぎるなど、スマホ対策がなされていないサイトは非常に読みにくいですよね。
このアップデートにより、サイト運営者はスマホユーザーに優しいサイトを作ることが必要となっていきました。
ランクブレイン導入(2015年)
ランクブレインは、2015年頃から取り入れられた、人工知能によるアルゴリズム要素の一つです。
これにより、コンテンツに検索キーワードが入っていなくても、検索内容を推測し結果を表示することが可能になりました。
日本語検索アップデート(2017年2月)
日本語検索アップデートは、日本語で作成されているサイトに的を絞ったアップデートです。
ユーザーに有用で信頼できる情報を提供することよりも、自社のサイトを検索結果の上位に表示させることを主眼において作成されたキュレーションサイトがたくさん存在していました。
2016年秋、医学的な根拠が不確かな情報が多数掲載されているとして、サイトの閉鎖に追い込まれた「WELQ事件」はまだ記憶に新しいでしょう。
信頼性があり、正しい情報を提供しているサイトを検索結果の上位に表示させるアップデートを行いました。
健康アップデート(2017年12月)
健康アップデートは、日本語検索アップデートと同様、日本国内のみに適応された異例のアップデートです。
これにより、医療や健康に関する検索結果の60%に影響が出たとGoogleは発表しています。
Googleは、「医療や健康のトピックに関しては」、「特に高品質な情報を検索結果に表示する」べきだと提言しており、医療に従事した者や公的な機関による情報が上位表示されやすくなりました。
具体的には、病気(便秘・ニキビなども含む)、歯科系・眼科系、健康食品(青汁・酵素・葉酸・サプリ全般など)、コレステロール、バストアップ、精力剤、イボ、ワキガ、糖質制限、などのキーワードが対象となりました。
サイト運営者は、厚生労働省が示す指針「医療広告ガイドライン」への準拠してコンテンツを作成することが必須となりました。
スピードアップデート(2018年7月)
スピードアップデートは、ページ読み込み速度の評価対象がPC検索のみならずモバイル検索にも適用されたアップデートです。
これは「表示が極端に遅い」とユーザーが感じるようなページに対して実施され、影響があったサイトはごくわずかだとされています。
Googleは、ページが表示されるまで3秒かかると半数以上の閲覧者がサイトを離脱するというデータを発表しています。
サイト運営者は、速度改善を行うことで段階的に評価を取り戻すことができます。
BERTアップデート(2019年10月)
BERTアップデートは、検索クエリのニュアンスやコンテキスト(文脈)を理解して、より関連性の高い検索結果を返すことを可能にしたアップデートです。
これは、「BERT(バート)」と呼ばれる人工知能(AI)ベースの自然言語処理技術を採用しています。
2015年に導入した人工知能(AI)ベースの検索アルゴリズム「RankBrain」以来の、自然言語処理技術の発展です。
「長い会話型のクエリ」に対してBERTアルゴリズムが働くようになりました。
まとめ:今後行っていくべきSEO対策とは
SEOアップデートの歴史を辿ってきましたが、その中でも特に押さえておきたいアップデートは下記の3つです。
主要なアップデートまとめ
- コンテンツの質にフォーカスした、2011年「パンダアップデート」
- リンクの取り締まりを行った、2012年「ペンギンアップデート」
- キュレーションサイトを対象にした、2017年「日本語検索アップデート」
Googleのアップデートの歴史を紐解くことで、Googleがどんなページを上位に表示したいと考えているのかの理解が深まります。
今回紹介したアップデート内容の中で、もし「対策できていないな…」と感じた点があれば、ぜひご自身のサイトに適用してみてくださいね。