記事を書いていると、ネットにある文章や画像を引用したいときがありますよね。
とりあえず、フリー素材は大丈夫・・・それ以外は?
実は、文章や画像の引用ってルールが複雑。
とはいえルールを無視すると、後になってブログ運営を揺るがすトラブルになることも。
(トラブっているブロガーさんを見かけたことがあります。。。)
この記事では、文章や画像を正しく引用する方法についてまとめました。
引用するものによってルールが違うので、いろいろ調べても混乱しやすいところなんです。
そこで今回、3つに分けてすっきりさせました。
- 文章
- 画像(人物を除く)
- 人物画像
この記事を読めば正しく引用できるようになるので、無用なトラブルを避けられますよ。
㈱Woo代表。WordPressを魔改造してSEO戦争する人です。 WordPressプラグイン・テーマ「unify」開発者。 中央大学卒。元WEB系エンジニアでCMSやECサイト開発等をしてました。 2018年10月頃にブログ運営を開始。2020年独立し、2021年法人化。
ブログで文章を引用する方法
「引用してよい条件」を満たすと、著作権者に許可をもらわずに使うことが可能です。
文章を引用してよい条件
文章を引用してよい条件は、以下の5つです。
- 必要な引用である
- 引用していることを明確に示す
- 補足情報である
- 引用元を明記する
- 引用するコンテンツを修正しない
一つずつ解説していきます。
必要な引用である
記事を書くために「どうしても引用しないと説明できない!」という論理的な説明ができる必要があります。
例えば、認知バイアスについて記事を書いている場合。
読者に記事を理解してもらうため、認知バイアスの意味を外部から「引用する必要がある」となります。
引用していることを明確に示す
引用部分を灰色の背景にしたり、「”」を付けたりして、引用していることを明確にします。
「引用していることを示す例」
引用を明確に分けないと、あたかも記事を書いた人のオリジナルと勘違いしてしまうからですね。
補足情報である
自分が記載したオリジナルのコンテンツが主であり、引用は補足情報である必要があります。
検索エンジンとしても、オリジナルの部分の割合が少ないと、好ましい記事とは判断されません。
引用元を明記する
引用元のURLや、本であれば本のタイトル・ページを記載が必要です。
読者にとって有益な引用であれば、検索エンジンもポジティブに捉えてくれますよ。
引用するコンテンツを修正しない
著作権者の意図が変わらないように、コンテンツは修正してはなりません。
以上の通り、「著作権フリー」あるいは「引用してよい条件」のどちらかを満たせば画像を引用できます。
※なお、著作権フリーでも商用OKの確認が必要です。(アフィリエイトブログは商用)
引用してよい条件がわかったうえで、フローチャートを復習しましょう。
条件だけ聞いてもイメージしにくいと思います。
具体例を見ていきましょう。
文章を引用してOKな例
まずは、引用してOKな例を見ていきましょう。
言葉の意味を引用する
引用OKです。
例えば、著作権についての記事を書いていた場合。
言葉の意味を正しく読者に伝えるため、引用してくるというもの。
著作権(ちょさくけん、英語: copyright、コピーライト)は、作品を創作した者が有する権利である。また、作品がどう使われるか決めることができる権利である[1]。作者の思想や感情が表現された文芸・学術・美術・音楽などを著作物といい[2]、創作した者を著作者という。知的財産権の一種。
引用元:著作権 – Wikipedia
引用する必要性もありますし、補足的な目的ですよね。
制度内容について、行政機関の情報を引用する
引用OKです。
例えば、引用の条件について説明するときに文化庁の情報を載せること。
(注5) 引用における注意事項
他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には,以下の事項に注意しなければなりません。
- (1)他人の著作物を引用する必然性があること。
- (2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
- (3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
- (4)出所の明示がなされていること。(第48条)
(参照:最判昭和55年3月28日 「パロディー事件」)
情報の信頼性を示すこともできますし、読者としても有益です。
文章を引用してNGな例
続いて、NGな例です。
集客を目的として、有名人の文章を引用する
引用はNGです。
著名な人の文章には、人を惹きつける力があります。
当然、記事に入れれば魅力を感じてくれる人もいるでしょう。
しかし、本文と関連が薄ければ文章を引用する必然性がないので、引用NG。
孫引きをする
引用NGです。
孫引きとは例えば、ほかの人が本から文章を引用しているのを、さらに引用することです。
引用の条件を満たすには、情報の大元を明確にする必要があります。
引用から引用してしまうと、情報の大元がわからなくなってしまい、NG。
文章を引用するときの正しい書き方と設定方法
書き方のポイントは、以下の4つ。
- 灰色背景(引用であることを明確にする)
- 引用元を明記する
- 引用元のリンクを張る
- 適切なHTMLタグを用いる(※SEOを徹底的にこだわりたい人向け)
ブロックエディタを使って設定する方法
手順1. 「ブロックの追加」をクリック
手順2. 「引用」をクリック
手順3. 引用した文章をコピペ
手順4. 引用元を記載(本のタイトル・ページ・URL等)
※やるべきことは同じですが。WordPressテーマによって操作画面は若干違います。(今回はSWELLでの手順)
HTMLタグを自分で設定する方法
文章を引用するときは、下記のHTMLを用います。
<blockquote>
<p>引用する文章</p>
<footer>引用元:<cite><a href=ウェブサイトのURL</cite></footer>
</blockquote>
黄色太字を書き換えて記載してください。
※文章と画像を引用するときで、使うHTMLタグは変わります。
続いて、画像(人物を除く)を引用するケースです。
文章を引用するケースと似ているところが多いので、簡単です!
ブログで画像(人物を除く)を引用する方法
フローチャートは、文章を引用する場合と同じです。
画像(人物を除く)を引用してよい条件
画像(人物を除く)を引用してよい条件は、以下の5つです。
文章の引用の時と同じですね。
- 必要な引用である
- 引用していることを明確に示す
- 補足情報である
- 引用元を明記する
- 引用するコンテンツを修正しない
画像(人物を除く)を引用するOK・NGの判断がやや難しいので、具体例を挙げて解説します。
画像(人物を除く)を引用してOKな例
画像を引用する必然性があるかどうかが、やや難しいです。
考え方として、以下の2つを意識しましょう。
- 画像がなくても話が通るか
- 代わりの画像は準備可能か
自分なりの解釈を記載するため、学説の図解を引用する
引用OKです。
図解なく解説したら、何のことかわかりませんよね。
さらに、図解を別の手段で用意するのも困難。
ということで「引用する必然性あり」=「画像を引用してOK」となります。
行政機関のWebサイトのグラフを、解説の補足データとして引用する
引用OKです。
例えば「少子高齢化が進むので、高齢者市場が大きくなる」と記載した場合。
信頼性を高めるためには、人口分布のデータを補足として載せる必要があります。
ということで「引用する必然性あり」=「画像を引用してOK」となります。
画像(人物を除く)を引用してNGな例
画像については、思った以上にNGの範囲は広いと考えておくべきでしょう。
具体的な例を使って解説します。
装飾を目的としたイメージ画像の引用
引用はNGです。
画像なしでも、文章だけで意味は通じますよね。
「引用する必然性がない」=「画像を引用したらNG」です。
人が撮影した旅行の写真を引用する
引用はNGです。
人の写真は、撮影者に著作権が発生します。
さらに、旅行の写真であれば必ずしもその人の写真でなくてもよい。
本来であれば、自分自身で撮影した写真であるべきです。
ということで「画像を引用する必然性がない」=「画像を引用したらNG」です。
引用していい条件が意外と厳しいから、面倒ですよね。
引用OKな画像の探し方をまとめているので、活用してください。
引用OKな画像の探し方
引用OKな画像を探すのにおすすめなサイトは以下の通りです。
おすすめの画像サイト
- 【フリー】写真AC
- 【フリー】O-DAN
- 【フリー】いらすとや
- 【フリー】イラストAC
- 【有料】Shutterstock
- 【有料】PIXTA
画像を自分で作るのもおすすめです。
画像を自作するための無料ソフトとして、誰に聞いてもおすすめされるのが「canva」。
無料でも十分使えます。
ちなみに、このブログで使っている画像のほとんどはcanvaですよ。
次は、実際に引用するときの書き方を解説します。
画像(人物を除く)を引用するときの正しい書き方と設定方法
画像を引用するときの、書き方の例を下記に示します。
書き方のポイントは4つ
- 灰色背景(引用であることを明確にする)
- 引用元を明記する
- 引用元のリンクを張る
- 適切なHTMLタグを用いる(※SEOを徹底的にこだわりたい人向け)
ブロックエディタを使って設定する方法
手順1. 「ブロックの追加」をクリック
手順2. 「引用」をクリック
→灰色背景が設置される
※やるべきことは同じですが。WordPressテーマによって操作画面は若干違います。(今回はSWELLでの手順)
手順3. 「引用を追加」をクリック
手順4. 「さらにブロックツールを表示」をクリック
手順5. 「インライン画像」で画像を選択
手順6. 引用元を記載する
HTMLタグを自分で設定する方法
画像を引用するときは、下記のHTMLを用います。
<figure>
<img src=”画像ファイルの保管場所” alt=”” />
<figcaption>引用元:<cite>ウェブサイトのURL</cite></figcaption>
</figure>
黄色太字を書き換えて記載してください。
最後は、ブログで人物画像を引用するケースについて解説していきます!
ブログで人物画像を引用する方法
自分の画像を、他の人が簡単に使っていたら困りませんか?
他人を守っていると同時に自分も守られている、そう思うことにしてます (笑)
フローチャートを見てもわからない部分があると思うので、解説していきます。
人物画像を引用してよい条件
画像を引用してよい条件は、以下の3つです。
- 芸能人ではない
- 著作権フリーである
- モデルリリースされている
一つずつ解説します。
芸能人ではない
詳しくは解説しませんが、芸能人の画像は3つの権利でガッチガチ。
- 著作権
- 肖像権
- パブリシティ権
基本的には、芸能人の画像は使えないものと考えておきましょう。
著作権フリーである
ここは皆さんが、ご存じの条件です。
モデルリリースされている
モデルリリースとは、ざっくり言えば「私が映っているこの写真を使っていいよ」という許可です。
人物画像は、著作権のほかに「肖像権」という権利があります。
著作権フリー + 肖像権フリー(モデルリリース) = 引用OK ということですね。
では、わかったところでフローチャートを見直してみましょう。
人物画像についても、おすすめのサイトを紹介しますね。
引用OKな人物画像を探す方法
おすすめの画像サイト
- 【フリー】写真AC
- 【フリー】ぱくたそ
- 【有料】PIXTA
確かに実際そういうサイトはありますね。
正直言って引用OK・NGで微妙なゾーンは多々あります。
完全に明確な線引きがあるわけではないのが現状。
ここまでくると、法律の解釈のレベルに入ってきますからね。
ですが基本的には、引用で迷ったらやめておく、というスタンスでいることをお勧めします。
引用の必然性がなければ、canvaで自作して、もっと良い画像を作る方が検索エンジンの評価も高いですし。
念のため、誤った引用をしたときのリスクについても触れておきます。
誤った引用で著作権にひっかかったら?
著作権を侵害した場合、「民事上の請求」と「罰則」を受ける可能性があります。
「民事上の請求」
- 侵害行為の差止請求
- 損害賠償の請求
- 不当利得の返還請求
- 名誉回復などの措置の請求
「罰則」
10年以下の懲役または1000万円以下の罰金
もう少し現実的な話をしていきます。
悪質ではない場合
悪質な著作権侵害でない場合、多くの場合は「侵害行為の差し止め」程度にとどまります。
著作権を侵害しているコンテンツを削除してくれ、といった指摘を受け、対応するという流れです。
ただし、目に余るような侵害の場合は、以下のことも考えられます。
- ASP会社との提携解除
- 広告主との提携解除・報酬支払の停止
- SNS上で炎上
著作権を気にしないがために、ブログ運営ができなくなるのはもったいないです。
悪質な場合
悪質な場合、当然「損害賠償や懲役・罰金」の対象となる可能性があります。
有名なところでは「漫画村」(※現在は閉鎖されています)。
漫画村とは、違法コピーされた漫画・雑誌・写真集などを無料で閲覧できたサイトです。
漫画村が国内でメジャーなサイトにまで成長したことから問題視されるようになりました。
結局、サイトを運営していた人が、著作権法違反で逮捕にまで至っています。
一般の人は、なかなか悪質な場合には該当しないと思いますが、闇落ちしないように気を付けましょう。
引用OK・NG集
ブロガーがよく使いたくなるであろう引用元について、引用OK・NGをまとめました。
wikipediaの引用
wikipediaを引用してOKです。
もちろん、画像を引用するときの正しい書き方とセットで。
ウィキペディアが提供する素材の二次利用を検討いただき、ありがとうございます。ウィキペディアは「フリー百科事典」ということを掲げており、掲載している文章や画像等は、各種表示等を条件に自由に二次利用することができます(無断転載など)。
amazonの引用
amazonサイトの情報はすべて引用NGです。
具体的には以下の3つ。
- 商品画像
- レビュー
- 商品紹介文
推測ではありますが、引用の必然性が弱いということでしょう。
例えば、写真は自分で撮れば代わりがきくでしょ、みたいな感じですね。
画像のURLを張る「直リンク」という裏技もありますが、ネット業界ではマナー違反なので推奨しません。
楽天の引用
楽天のに掲載されている画像は、引用NGです。
楽天アフィリエイトのリンク作成ページ以外の楽天ウェブ・アプリ内の画像を*無断でスクリーンショット、ダウンロード、画面収録等して利用するのは禁止といたします。
7月マラソン連動☆夏家電特集クーポン企画 | 楽天アフィリエイト事務局ブログ – 楽天ブログ (rakuten.co.jp)
ただし、楽天アフィリエイトのリンク作成ページ内に掲載されている画像を切り取って、引用するのはOK。
楽天アフィリエイトを紹介していることが条件です。
※例えば、公式HPへアフィリエイトを載せているのに、楽天アフィリエイトの画像を使うのはNGということ。
楽天アフィリエイトのリンク作成ページ内に掲載されている画像をダウンロードし、アフィリエイトリンクと一緒に掲載することはOKです。ただし、リンク先が楽天市場(または楽天市場のショップ・商品)であることがわかる様な形でご紹介ください。
楽天市場内の画像およびスクリーンショット利用に関して | 楽天アフィリエイト事務局ブログ – 楽天ブログ (rakuten.co.jp)
メーカーの商品画像の引用
メーカーの商品画像にも著作権があり、ルール上はNGです。
商品画像は自分でも準備可能なものなので、引用の必然性が弱いため。
ただ、メーカー側としても画像を使って正しい販売促進してくれるのはうれしいこと。
そのため、黙認されるケースがほとんどなので、いわゆるグレーゾーンという認識でしょう。
論文の引用
引用の条件を満たしていれば、OKです。
特に論文は、代替の利かない情報ですので「引用の必然性」が明確となりやすいです。
他のブログの引用
引用の条件を満たしていれば、OKです。
twitterの引用
twitterは、埋め込み機能をつかえば引用OKです。
→ウェブサイトやブログにツイートを埋め込む方法 (twitter.com)
twitterの埋め込み機能を使うと「あくまで所有者はツイートした人のままです」というスタンスをとることで、著作権を回避しています。
ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介して自ら送信、投稿または表示するあらゆるコンテンツに対する権利を留保するものとします。ユーザーのコンテンツはユーザーのものです。すなわち、ユーザーのコンテンツ(他のコンテンツに組み込まれたユーザーの音声、写真および動画もユーザーのコンテンツの一部と考えられます)の所有権はユーザーにあります。
ツイートの貼り付け方!ブログへの引用と埋め込みは著作権違反? | NetBusinessLife (net-business-life.com)
instagramの写真の引用
instagramは、埋め込み機能をつかえば引用OKです。
twitterと同じ扱いなので割愛しますが、詳しくはInstagramデータに関するポリシー | Instagramヘルプセンターを参照してください。
facebookの写真の引用
facebookは、埋め込み機能をつかえば引用OKです。
twitterと同じ扱いなので割愛しますが、詳しくは Facebookの利用規約を参照してください。
まとめ
文章や画像(人物を除く)を引用するため条件は以下の5つ
- 必要な引用である
- 引用していることを明確に示す
- 補足情報である
- 引用元を明記する
- 引用するコンテンツを修正しない
人物画像を引用するための条件は以下の3つ。
- 芸能人でない
- 著作権フリー
- モデルリリースされている
引用について、正しく理解していると対外的な評価も上がる期待もできますよ。
「この人、いろいろわかってブログを書いているな。雇いたい!」みたいな。