りんメディアディレクター
ツァイガルニク効果とは?ビジネス・恋愛・勉強・ブログでの応用術。
『続きが気になる』『最後までやりたい』
この気持ち、全部ツァイガルニク効果というものが働いています。
例えば、TVを見ている時。
気になるところで「続きはCMの後で」と言われると、ついチャンネルをそのままにして見たくなりますよね。
この時、脳にはある種のストレスが働いて、『すぐに解消したい』という気持ちが出てきます。
これがツァイガルニク効果です。
このツァイガルニク効果ですが、応用すれば時間管理や勉強、恋愛、ビジネスやブログにも使える、マルチな効果。
この記事では、意図的に使われている例や無意識に起きている例まで解説しちゃいます。
そして自分でツァイガルニク効果を応用する例も紹介。
上手く使って、仕事や恋愛、ブログ等で活用していきましょう!
恋愛メディアのディレクターの私りんが解説していきます!
この記事の監修者
ドム(工藤逸世)SEOコンサル&WPテーマ開発
㈱Woo代表。WordPressを魔改造してSEO戦争する人です。 WordPressプラグイン・テーマ「unify」開発者。 中央大学卒。元WEB系エンジニアでCMSやECサイト開発等をしてました。 2018年10月頃にブログ運営を開始。2020年独立し、2021年法人化。
ツァイガルニク効果とは?
ツァイガルニク効果は、人は達成できなかった事柄や中断している事柄のほうを、達成できた事柄よりもよく覚えているという現象。ツァイガルニック効果、ゼイガルニク効果、ゼイガルニック効果とも表記する。
ツァイガルニク効果─Wikipedia より
ツァイガルニク効果とは、達成できたことよりも、達成できなかったことや中断していることの方が印象に残る心理効果のこと。
簡単に言うと、「未完なことほど気になる」心理。
このツァイガルニク効果を立証したのが、ロシア(当時のソビエト連邦)の女性心理学者ブルーマ・ツァイガルニクです。
ツァイガルニクは、ドイツのゲシュタルト心理学者クルト・レヴィンの仮説を元に実験を始めました。
その仮説は以下です。
人は目標に向かっている時は緊張感が生まれるが、目標が達成されると緊張感は解消される
1931年に実証され、彼女の名前を取って「ツァイガルニク効果」と名付けられました。
(英語の読み方によって「ゼイガルニク効果」「ゼイガルニック効果」とも呼ばれています。)
では、どのような実験が行われたのか。
ツァイガルニク効果の仕組みが分かる、実験の内容を見ていきましょう。
ツァイガルニク効果の実験
ツァイガルニクによる実験では、2つのグループに複数の作業を与え、「次の作業に移るタイミング」を次のように指定しました。
ツァイガルニク効果の実験
- グループ①:1つの作業を全て終えてから次の作業をする。
- グループ②:1つの作業を途中で止めて次の作業をする。
全ての作業を終えた時、被験者に以下の質問をする。
「今回の実験ではどのような作業をしましたか?」
この結果、作業を途中で止めたグループ②の方が、グループ①よりも2倍多く内容を回答できたんです。
このことから、目標が達成した物事よりも、未完了なまま中断されたことの方が記憶に残りやすいということが実証されました。
これ、実際にいろんな場所で意図的に起こされてるんです。その例を見ていきましょう。
ツァイガルニク効果の使用例
ツァイガルニク効果は、私たちの生活の至るところで目にすることができます。
広告やドラマ、漫画などの媒体は、ツァイガルニク効果の「続きが気になる」という特性を活かしているものがほとんどです。
広告に使われている例
例えば料理レシピ動画配信サイトクラシル、Instagramで広告活動を行っています。
料理の動画や写真を投稿することで、見た人のアプリダウンロードを誘う広告活動です。
例えば、この投稿。
この投稿をInstagramで見る
美味しそうな焼き飯の映像と共に「本編はクラシルアプリにて!」という言葉で、より詳しく見たくなりますよね。
材料や分量などレシピを全て知るためには、プロフィールをクリックをするようになっています。
よく見られるこの最後の言葉が、ツァイガルニク効果の応用!
「続きは◯◯で」「◯◯で検索」は、あえて情報を中途半端に見せることでターゲットの興味を引き、サイト等に誘導する手法になっています。
ドラマに使われている例
ドラマって、1話ごとに完結しませんよね。
最後のシーンあたりで意外な展開があったり、セリフが途中で終わったり…。
すると、見ていたこちらは次の展開をあれこれ予想します。
そして次週、気になっていた展開の答えを確認せずにはいられなくなるんです。
この予告で『見なきゃ!』と思った人もいるでしょう。
視聴者が気になる展開をポイントで見せて、含みを持たせています。
俳優さんのセリフをあえて区切って流す予告とかもありますね
漫画に使われている例
漫画もドラマと同じく、1話では完結しません。
また、漫画は登場人物の心の声が書かれるため、読者が感情移入しやすくなります。
例えばページの最後にモヤモヤするような展開が来ると、『このモヤモヤを早く解消したい』と、次の巻も買ってしまうわけです。
この展開の仕方は、実はコマ割りやページごとにも。
見開きページの最後のセリフを、疑問文にしたり言いかけにしたりすることで、次のページを自然にめくるようにしています。
ツァイガルニク効果が意図せず発生している例
ツァイガルニク効果は、時に私たちが意図しない場合でも起きていることがあります。
無意識に気持ちが左右されるのは、できれば避けたいものです。
日常の中で使われている例と、解決方法を見てみましょう。
失恋
好きだった人が忘れられない。
このことに、『どうして忘れられないんだろう』と悩んだ人もいるでしょう。
忘れられないのは、あなたのせいではありません。
失恋を引きずってしまうのは、ツァイガルニク効果が働いていたからなんです。
そもそも失恋とはどんな状態かと言うと、
失恋とは
恋愛の喪失感を失敗体験として捉えている状態。
(「好きだったのに振られてしまった」など)
「失った=失敗」だと思ってしまうから、引きずってしまうということです。
つまり、成功に目を向ければ失恋から立ち直れます!
例えば、こんな感じ。
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自分の失敗に目を向けるのではなく、「恋ができた」という成功体験に目を向ければ、失恋の辛さは軽くなっていきます。
テストや試験
テストや試験の問題で、1問につい時間をかけてしまった経験はありませんか?
他の問題も残っていて時間が無いのに、納得いく答えが出るまで考えてしまうんですよね。
これも、中途半端なことが気になってしまうツァイガルニク効果です。
テストや試験でツァイガルニク効果が働くと、つい時間配分を誤ってしまいます。
しかしツァイガルニク効果は、逆にテストや試験に有効に活かすこともできるんです。
活用方法は次で解説しますね!
ツァイガルニク効果を使ってみよう
ツァイガルニク効果が起こる仕組みが分かれば、様々な日常シーンに自分で応用することも可能です。
仕事にもプライベートもストレスフリーにできちゃいます。
ビジネスに使う例
ビジネスに使う例
- 自分の仕事は同時に少しずつ進める。
- 顧客には無料お試しや商品サンプルを提供する。
『仕事を終わらせなきゃ』と思うと、キリの良いところまで片付けようと思う人が大半です。
しかしこれで残業になったり、疲れが溜まったり…結局後々に響くことも。
つまり、複数ある仕事は、同時に少しずつ進めるほうが効率良くこなせます。
それぞれが進んでいることによって、それぞれの終わりが見えてくるからです。
記憶にも新しく、モチベーションも変わります。
また、マーケティングに応用するには無料お試しや商品サンプルを顧客に提供すると◎。
『続けて商品の効果を実感したい』という購入理由に繋げることができます。
勉強に使う例
勉強も同じように、同時に少しずつ、が効果的。
「今日は国語」などと1教科ごとに勉強すると、最初の教科に弱くなってしまいます。
小学校で宿題を出された時のことを、思い出してみてください。
- 音読2ページ
- 自主学習1ページ
- 計算ドリル1ページ
こんな感じで各教科から少量ずつ出されていましたよね。
じつは、これが記憶に定着しやすい勉強の仕方なんです。
勉強に使う例
各教科を毎日少しずつ勉強する。
- 国語2ページ
- リスニング5分
- 計算練習10問 など
勉強における「継続は力なり」は、「少しずつ毎日」がポイントです。
時間管理に使う例
先ほどのテストや試験の例で、ツァイガルニク効果は有効に活かせることをお話しました。
時間配分が重要となるテストや試験では、最初の問題から順番に解こうとすると、苦手な問題が来た時に時間を費やしてしまいます。
ポイントは、分かる問題を先に解いて解答欄を減らしていくこと。
ところどころが埋まっているほうが、残る問題の優先順位もつけやすくなります。
さらに、各問題の(1)から解いていくという方法も有効。
問題はそれぞれ、カッコ内の数字が大きくなるほど応用力が必要になっています。
(1)が全て終わったら(2)、(3)…と解いていく。
基礎が多い(1)(2)を埋めるだけで、実は半分以上の点数を取れます。
この時あくまでも、分からない問題は最後に考えることが大事です。
テストや試験だけでなく、日常でも同じ考え方で問題処理ができますね。
時間管理に使う例
自分にとって簡単なものから先に処理し、タスクの数を減らしていく。
恋愛に使う例
ツァイガルニク効果を恋愛で働かせるには、相手を焦らすべし。
好きな人ができたら、『もっと自分のことを知って欲しい』と思うかもしれません。
しかし、相手が知りたいことはあえて小出しにすることで、ツァイガルニク効果が働きます。
例えば、こんな使い方。
恋愛に使う例
- LINEは時間を置いてから返信する。
- 最初のうちはデートの時間を夕方までにする。
- 話の途中で電話を終わらせる。
少しもどかしい気もしますが、それこそが相手に「もっと」と思わせるテクニック。
恋愛でも未完な状態を続けることで、相手の興味を引くことができます。
ブログに使う例
ツァイガルニク効果は読者の心理にも働かせることが可能。
SEOコンサル&WPテーマ開発
ドム(工藤逸世)のコメント
私は以前、ツイートでこのような内容を発信しました。
『続きはCMの後で』←コレ
— ドム(工藤逸世) (@domblog_jp) June 30, 2021
人は途中で止められると続きが見たくなります。『ツァイガルニク効果』って言うんですが、ブログにも応用できます🤔タイトルで結論が気になる言い回しをしたり、次の見出しに行く前に頭出ししたり...。
クリック率や滞在時間を伸ばす手法としては抑えておきたい技法です。
ここでも書いてますが、特にタイトルに使うのが重要。
記事はクリックされないと読まれません。
この例で言えば、「その理由が…。」と含みを持たせることで、読者は『理由が、何!?』と気になるわけです。
ツァイガルニク効果を記事に応用し、読者の「気になる」を引き出していきましょう。
まとめ
この記事のまとめ
- ツァイガルニク効果とは、達成できたことよりも、達成できなかったことや中断していることの方が印象に残る心理効果。
- ツァイガルニク効果をビジネスや勉強に使うには、複数のタスクを同時に少しずつ進めると◎。
- ツァイガルニク効果を恋愛に使うには、相手を焦らして「気になる」を続ける。
- ツァイガルニク効果をブログで使うには、タイトルや見出しに含みを持たせる。
ツァイガルニク効果は非常に強力な心理効果。
コレが使えるだけで、自分に都合が良い行動を相手にとってもらうことも…。
特にブロガーは、活用できるかできないかでPV数や読了率に大きな差が生まれます。
上手く活用して、ブログをどんどん伸ばしていってください!
そしてツァイガルニク効果をはじめとして、心理学を恋愛やブログに応用する手法は以下の記事でも解説しています。
認知バイアスとは?一覧/例でサクッと判る|ビジネス・恋愛・ブログでの応用術勘違いや思い込みによって、後悔した経験はありませんか? それ、認知バイアスというもの人間の脳で働いて発生してるんです。 例えば…
(…というこれも、ツァイガルニク効果使っています。)