「タレントの○○さん愛用品!」
思わず商品に興味が湧くこの言葉には、ウィンザー効果というものが働きます。
「誰かからの言葉」を応用すれば、情報に信憑性が生まれるんです。
今回はウィンザー効果について、恋愛・マーケティング・ブログでの応用術を解説。
実験や事例から、ウィンザー効果の活かし方が判りますよ。
㈱Woo代表。WordPressを魔改造してSEO戦争する人です。 WordPressプラグイン・テーマ「unify」開発者。 中央大学卒。元WEB系エンジニアでCMSやECサイト開発等をしてました。 2018年10月頃にブログ運営を開始。2020年独立し、2021年法人化。
ウィンザー効果とは?
ウィンザー効果(Windsor effect)とは、本人や提供者から発信される情報よりも、第三者が発信して間接的に伝わる情報の方が信頼性が高まるという心理的傾向のこと。商品や店舗の口コミやレビュー、友人の感想の方が、メーカーや運営元といった当事者による情報よりも消費者に重視される理由の一つは、この効果によるものである。利害関係がない第三者の意見という前提で評価される。
ウィンザー効果とは、提供者以外の第三者を介した情報のほうが信用できる心理のこと。
例えば、この記事の冒頭文の例。
以下の2つなら、どちらがより信用できるでしょうか。
- 「店員おすすめの化粧水」
- 「タレントの○○さん愛用の化粧水」
1は提供者からの情報、2は第三者を介した情報です。
1の「店員おすすめ」の文言もよく見かけますが、信用性はお店の属性によるんです。
デパコスなどの化粧品専門店であれば、綺麗な店員の知識で説得力が生まれるでしょう。
この言葉であれば、コーヒー店などの店員も専門性を持っていることが期待できますよね。
しかし、ディスカウントショップやコンビニなどではどうでしょうか。
店員の人物像が分からなければ、いまいち説得力を感じられません。
その点、2のように想像しやすい第三者を起用することで、商品への期待度は高まります。
ウィンザー効果の実験
ウィンザー効果の実験は、あの飲料メーカー大手コカ・コーラ社を対象として行われました。
ウィンザー効果の実験内容
- コカ・コーラ本社に届いた苦情を元に、該当する消費者へ口コミを依頼する。
- 該当する消費者は苦情に対する企業の回答・対応をどう感じたか判定。
- 口コミ公開後、他の消費者の動きを見る。
実験の結果は以下のとおり。
- 苦情を寄せた消費者のうち、コカ・コーラ社の回答・対応に満足したのは4~5人。
- 苦情を寄せた消費者のうち、9~10人はコカ・コーラ社の回答・対応に不満を感じた。
- 9~10人の「不満がある」という意見は他の消費者にも影響し、悪い口コミが増えた。
この実験では、「満足した」良い口コミより「不満がある」悪い口コミが2倍以上多い結果でした。
苦情処理に対する口コミのため、「不満がある」消費者のほうが投稿しやすかったんです。
また、この結果により悪い口コミの影響力が強くなり、他の消費者も共感を覚えます。
コカ・コーラ社の実験により、口コミなどの第三者の意見は消費者への影響力があると判りました。
コカ・コーラ社は「苦情処理」を対象に口コミを集めたため、悪い意見が広まる結果でした。
しかし逆を言えば、「ウィンザー効果を使えばいい意見を広められる」ということです。
ウィンザー効果の事例
ウィンザー効果を有効に使えば、良い印象を「多数派の意見」として広められます。
実際にウィンザー効果を活用している事例を見ていきましょう。
Googleの口コミ
Google検索でお店などを調べると、口コミと共に★での評価を見られますよね。
例えば、「新宿 カフェ」で検索するとこのように表示されます。
(277) · お手頃カフェ・喫茶 · 新宿5丁目17−6 中田ビル 2Fイートイン·店先受取可·宅配サービスなし
(161) · お手頃カフェ・喫茶 · 新宿3丁目9−5 ゴールドビル 3FBイートイン·テイクアウト·宅配サービスなし
店名をクリックすると、口コミの概要が見られる仕様。
“お米も雑穀米で、野菜もしっかり摂れるランチで体に優しい〜!”
★★★★☆
“Wi-Fiと席によっては電源もあり、居心地がいいのでリピートしてます。”
★★★★★
Googleの口コミを見て、お店を選んでいる人も多いでしょう。
すると、自然に上位表示されるお店へ足を運ぶ人が増加。
人気店が確立されていくのは、こうした流れです。
TVショッピングの体験者の声
TVショッピングを見ていると、必ず商品の体験者が出てきます。
例えば、膝の痛みが良くなるサプリメントの紹介番組ではこんな男性が。
悩んでいた過去の再現や軽快に走る様子が映されると、信憑性がありますよね。
さらに、芸能人・著名人が登場することも。
年齢を感じさせない若々しい姿を見れば、「あの芸能人が使っているなら」と購買意欲が湧きます。
上記で話したように、「芸能人と同じユーザー」であることが視聴者にとって有益なんです。
SNSのハッシュタグ
SNSのハッシュタグは、シェア効果が抜群。
良いも悪いも、ハッシュタグを付けるだけで自由に思いを投稿できます。
また、ハッシュタグからの検索も可能ですよね。
これがメディアや店舗にとって、かなり宣伝になるんです。
公式アカウントで、宣伝してほしいワードをハッシュタグにする。
ハッシュタグを使って宣伝する場合は、まず「広めたいワード」を設定することがポイント。
公式アカウントからハッシュタグを発信することで、見た人が同じように付けやすくなります。
NHKの朝ドラ「ちむどんどん」の公式アカウントです。
その日見所となるシーンの写真と共に、重要な登場人物にハッシュタグを付けています。
Tweetを表示
にいにい、ほんとにダメだなあ💦
— デパオジ (@depaoji) May 22, 2022
東京編、思った以上に良さげ!#ちむどんどん #朝ドラ#黒島結菜 #竜星涼 #川口春奈 #上白石萌歌 #仲間由紀恵https://t.co/hCLHmpCy8p
投稿者のツイートではさらにハッシュタグが増えて、ここから広がっていくことが予想されます。
SNSは個人が自由に発言する場だからこそ、情報の信憑性が増すんです。
ウィンザー効果とハロー効果
似た意味の効果に、ハロー効果というものがあります。
ハロー効果とは
対象の人や物への目立った評価によって、事実とは関係なく印象が決まってしまうこと。
例えば、ある商品に対しての口コミが好評価ばかりなら「いい商品」という印象が作られます。
逆に口コミが悪い評価ばかりだと、たとえ良い意見があっても買わないでしょう。
ハロー効果は特性や実質に関係なく、評価によって印象が分かれるんです。
ウィンザー効果とハロー効果の共通点
ウィンザー効果とハロー効果は、「評価の影響力がある」という点が共通しています。
どちらの効果も、他人の評価を知ることで自分も影響されるんです。
上記で紹介したウィンザー効果の事例は、ハロー効果も起こりうると言えるでしょう。
ウィンザー効果とハロー効果の違い
ウィンザー効果とハロー効果は、「評価した人が誰か」に違いがあります。
また、影響のされ方も異なる部分があるんです。
ウィンザー効果 | ハロー効果 |
---|---|
|
|
このように理解すれば、違いが判りやすいでしょう。
ウィンザー効果を恋愛に使う方法
「相手のことを褒める」という鉄則、聞いたことがある人もいますよね。
この鉄則にウィンザー効果を取り入れるだけで、相手の印象は大きく変わるんです。
例えば片思いの相手を褒めるとしたら、直接的に言うのが一般的。
これだけでも十分喜べますが、「信用度」をプラスしましょう。
親しい友人や共通の知人に代弁してもらうことで、ウィンザー効果が発揮されます。
この第三者が親しい人ほど、現実味が増すでしょう。
また、相手は「自分の知らないところで評価してもらえている」ということを知ります。
この間接的な評価で、より一層嬉しさを感じられるんです。
ウィンザー効果を恋愛に使うポイントは以下。
ポイント
- 「見てくれている人がいる」と間接的に思わせる。
- 「直接言われたわけではない事実」で相手が意識するようになる。
- 第三者から全てを伝えるのはNG。
特に3つめがかなり重要。
例えば親しい友人に、「○○が“好きだ”って言ってたよ」と全て言わせてはいけません。
告白は直接したほうが本気だと伝わりますよね。
間接的だと、場合によっては相手の気持ちが冷めてしまうことも。
第三者に頼む時は、あくまで小出しに「さりげなく」を心掛けましょう。
ウィンザー効果をマーケティングに使う方法
ウィンザー効果をマーケティングに使う方法は以下です。
商品を利用した人からの口コミや評価を表示して、信憑性・好感度をアップ。
先ほどのGoogleの口コミが判りやすい例ですね。
暫く拡張は無いと思ってましたが、
— ドム(工藤逸世) (@domblog_jp) April 29, 2022
ディレクターから案が出てソート機能追加しました😀
デフォルトが参考になった順で、クリックすると更新日順に変わります。
読者が知りたい事が前に出る状態なったので、満足度上がりそうやね。https://t.co/2u1IhjwoQN pic.twitter.com/05dzCgMJPK
口コミだけではなく、「利用者が求めているものに対する答え」も合わせて表示すると効果大。
例えばM2Wでは、利用者は「マッチングアプリを選びたい人」です。
そのためマッチングアプリを選ぶ基準に合わせて、知りたい項目で口コミを探せるようにしています。
これはマーケティングでも活かせることでしょう。
売り出したい商品が食べ物の場合→「おいしさ」「リピート」などについての評価を見せる。
ウィンザー効果は、マーケティングに最も活きる心理作用です。
ウィンザー効果をブログに応用しよう!
ウィンザー効果をブログで活かす方法はこちらです。
口コミ(特にTwitter)をブログのキラーページに埋め込むと効果大。
これまでの解説で、活かし方が分かった人も多いでしょう。
例えば先ほどのM2W(マッチングアプリ)の例を商品として考えた場合。
Pairsというマッチングアプリを売り出したいなら、「Pairs 彼氏」などでツイート検索します。
良い口コミを、商品ボタンを出す前に貼り付ければOK。
Pairsで彼氏できた友達が実際に取材されていたマッチングアプリ特集。記事を書く内に編集者本人まで彼氏できたの奇跡すぎるだろ……そして婚活をちゃんとミッション化して恋人できた人って意外と長続きするよね pic.twitter.com/Z7hp0eTMAi
— ジェラくる【書籍とpodcast】 (@graduate_RPG48) January 22, 2020
【ウィンザー効果】
— ドム(工藤逸世) (@domblog_jp) March 1, 2021
「ブロガーは文章書く人」じゃなくて、
「ブロガーは読者に効果的に伝える人」だと思う🤔#ブログ初心者 pic.twitter.com/KJY6nntiq0
最後にこうして私のツイートを貼るのも、ウィンザー効果の応用でした。
他の記事も読んでくれている読者の方は、もうお気づきかもしれませんね。
つまり私自身も、ウィンザー効果を使っています。
ご自身のブログにもぜひ活かしていきましょう!
まとめ
この記事のまとめ
- ウィンザー効果とは、提供者以外の第三者を介した情報のほうが信用できる心理。
- ウィンザー効果を恋愛に活かすには、親しい人に自分の言葉を代弁してもらう。
- ウィンザー効果をマーケティングに活かすには、商品に対する利用者の評価を表示する。
- ウィンザー効果をブログに応用するには、Twitterをキラーページに埋め込む。
ウィンザー効果は、第三者の言葉や評価を使って情報に信憑性を持たせる心理作用。
ウィンザー効果に類似したハロー効果も組み合わせれば、絶大な情報力となります。
ハロー効果の他にも、狙いによって心理効果を組み合わせると良いでしょう。
こちらの記事では、7つの心理効果が一覧でサクッと判ります。
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